ありがとう

ウミガメ 管理人のつぶやき

 「ありがとう」漢字で書くと「有難う」です。この言葉は仏教の言葉「有り難し(ありがたし)」に由来すると考えられています。**有り難ありがたし**とは文字通り、「あることが難しい」という意味です。

 ここで思うことは、いのちが現れることの難しさです。特に、人間に生まれることは、めったにないことで、本当に「有難き」ことです。

 イギリスの科学者・フレッド・ホイル博士は、最初の生命が偶然生まれる確率は1040,000分の1(1000000000000……………と10に0が4万個分の1)と試算しました。ちなみに、1億は108 、1兆は1012 ですから、1040,000は途方もない、ほぼ無限に小さいと思われるぐらいの確率ですね。そこから、人間として生まれる確率となると、もはや絶望的とも言える小さな確率になります。

 このことを仏教では盲亀浮木(もうきふぼく)の喩えで説明しています。「大海中に住む目の見えない年取った海亀が、百年に一度水面に浮き上がってきた時に、大海に漂っている穴の空いた流木に偶然首を突っ込む」ということが起こることの難しさ、そのことが「人身受け難し(じんしんうけがたし)」です。

 人として生まれて、中には、そのことを恨んでいる人もいるでしょう。生まれてすぐに、病魔に侵され苦しみながら死んで逝く人もいるでしょう。生涯、重度の障害をかかえて生きている人もいるでしょう。

 1億人いれば、1億の異なった悲しみ、喜び、苦しみ、愛情があります。でも、それぞれの事情、境遇を乗り越えて、「ありがとう」と心から思えるように・・・

 その願いがあれば、その願いをたずさえていれば、いつの日か、そう思えるようになるでしょう。